見えない、からこそ、おもしろい。これからのwafuの道。
wafuが目指しているのは、
「服を介して、人と人が、芯からつながる」
ということです。
お客様と対面しながら、その方にフィットした作品を作りたい。
持続的にそれができる環境を整えるため、
またそれで職人が育つ循環をつくるため、
今wafuは奔走しています。
wafuは、シンプルで、本質的なことが好きです。
ちょっと真面目な話かも知れませんが、
人間は、人間との本質的なつながりが大切だと考えますし、
wafuが服屋なら、そのつながりを感じられるような服屋でありたい。
本質的なつながりは、助け合いであったり、お互いの成長であったり、
それぞれにいい影響をもたらすものだと思うのです。
ですので、インターネット上でも、
対面販売のようなやりとりができるよう、心がけていますし、
将来的にはお客様との直接やり取りをして、
接客面も含め、本当に着心地の良い1着をお仕立てしたいと思っています。
そんなwafuですが、綿貫社長が度々口にされるのが、
wafuの知名度がまだまだ高くない、ということです。
もう少し知名度が上がって、作品の認知度も上がれば、
環境をつくるベースが整う。
知名度、認知度を上げるにはどうしたらいい?
新宿にいたときも、綿貫社長は常にそのことを考えていて、
そのために踏み出す1歩を迷っていました。
他のアパレル関連の企業さんを見ると、
「世界観・コンセプト」づくりで、企業あるいは作品を知ってもらっている部分が目に留まります。
wafuも何か世界観やコンセプトを作って打ち出した方がいいのか。
ただ、極端な世界観やコンセプトづくりは、実際の現場の様子とのギャップが生まれてしまう場合も。
そういったギャップは、wafuらしくないからしたくない。
今踏み出す1歩に迷いがあり、販売会搬入時にも、
綿貫社長と私でそのことについてずっと話していました。
そこでわたしがふと思ったことは、
やはりwafuは他の企業の真似をする必要はない、ということでした。
世界観やコンセプトを打ち出すのがセオリーだとしても、
今こんなに迷っていて、どの結論もしっくりこないなら、
それはきっとwafuには合わないのだということ。
wafuには、世界観やコンセプトを打ち出すのとは別の道が合っているのかもしれない。
他の企業が歩んでいない、道が。
だからこそ、最初は見えづらい。だれも歩いていない道なのだから。
それが、道にすら見えていないのかもしれない。
踏み出すのも怖いのかもしれない。誰かの真似をしていたほうが楽だ。
でもきっとそれは、wafuじゃない。
私自身もこのような考え方がふと浮かんでくる前は、
見えない道に向かうことが怖かったのかもしれないし、
むしろ”見えない”道に気づきもしなかった。
でもそれは”道かもしれない”と思ったときに、やっと1歩が踏み出せそうな気がしてくる。
そう思った私は綿貫社長に、
「別に世界観つくらなくてもいいのかもしれないですね。自分たちの得意な方法ですれば」
とお伝えしたところ、
「それなら俺らも気が楽だ。自分たちがもっと充実して、楽しいことをしてそれを伝えるところからはじめてみよう」
と言う返事が返ってきました。
その方向が本当に合っているかどうか、それすらもわからない。後ろ指さされるかもしれない。
ですが、そう話した綿貫社長の呼吸は穏やかで、目は輝いていました。
そういう空気に流れる空気は、「その方向でいいよ」と言っているように感じましたし、
「その道は、”見えない”からこそ、おもしろいんだよ」と言っているようにも思えました。
今、そのおもしろさをすごく噛み締めています。
どうやらこの方向でいいらしい、という確信が湧き始めています。
きっとその後もまた間違え、修正し、
少しずつ目標に近づいていくのでしょう。
というわけで、現在綿貫社長は、特に意味もなく
「1ヶ月カレー生活!!」企画をひっそりと実行中です(笑)
販売会搬入の日に食べた味が濃く油っぽ~いカレーに、
「まだカレー生活開始して3日目だけど、もうやめたくなった…」
とおっしゃっていた綿貫社長ですが、
気を取り直し、引き続きカレー生活を実行中のようです。
意味もなく、と書きましたが、wafuカフェカレーの試食や研究も兼ねていますよ、もちろん。
その様子はツイッターやインスタグラムで配信されているようです。
他にはどんなおもしろいことが起こってくるのか?
私もこれからが楽しみです。
文と写真・笠原里紗