職人-生地の目にまで気を配る。専門の目を持った職人の生地のとり方
私、よみものスタッフの笠原は、
なぜかwafuの服を見て、すてきだな、と思います。
ただ、服、という点だけでその品物を見れば、
wafuの服も量販店の服も、服、です。
しかし、量販店の服には感じない、「すてき」を、wafuの服には感じます。
最初その感じがとても不思議だったのですが、
勤めはじめて時間が経つに連れて、だんだんとなぜかがわかってきました。
wafuの服には、
職人の想い、心意気がしっかりと現れているからです。
では、どんな部分に現れているのかという、細かな部分を、このよみものでは紹介していきますが、
今回は「生地のとり方」に焦点を当てます。
服は、服になる前、布の状態です。
服屋はその布を連なったままで仕入れ、裁断し、服にします。
型を作って、生地を端からそのまま裁断すれば良さそうなものですが、
職人の手仕事は、違います。
生地は、もともと動物、植物、化学繊維から紡いだ1本の繊維を、縦糸と横糸で織ってあります。
化学繊維の場合は繊維の太さが均一ですので、生地の縦糸と横糸の目がヨレることはほぼありませんが、
動物や植物から取れる天然繊維の場合、繊維の太さが完全な均一ではないため、
縦糸と横糸の目がヨレる場合があります。
そのヨレを見抜き、なるべく生地の縦糸と横糸が揃った部分を服に使ったり、糸をほぐしたりするなどの工夫しています。
そうすると、ぱっと服を見たときの印象が、
やはり目がヨレている服と違うと感じます。
ひと目では詳細はわかりません。
ですが、そういった気遣いが「すてき」の感覚を呼び起こします。
私が「すてき」と感じる原因のひとつはここにあったのかと納得しました。
まだまだ「すてき」を感じさせる「職人技」がたくさんあるはず。
次はどんな技に出会えるのか、楽しみです。
文と写真・笠原里紗