モノ消費とコト消費の話。
スタッフとのやりとりを議事録のようにまとめて公開します。
※僕らはリネンの洋服をネット販売している服屋さんです。
生地選び、デザイン、パターン、縫製、販売まで行う、いわゆるD2Cメーカーですね。
先程、僕が頼りにしているスタッフと話をしていました。
リネン服はネップやキズが多く、縫製の段階でできる不良品(全然着られるけど)、サンプル品がどうしても出てしまいます。
結構たまってしまっていて、以前からこの縫製スタジオ2Fのショップでワンデーの販売イベントをしようかと話をしていました。
いつも2Fのショップは予約制で対応しています。ネット販売が主な収益の為、その人員をいつ来るかもわからないお客様のためにショップ店員として常備できないのです。
実店舗をどこかに出せたらいいなと話もしていて。でも莫大な資金がかかる。
お店を出してもお客様が実際くるかどうかも不安じゃないですか。一度ここでイベントをしませんか。経験になると思いますし。とスタッフから提案があり。
以前の僕ならよしやろう!って言っていたと思う。フロンティア精神がすぐにそう行動させただろう。
でもまてよ、
動線を考える。
先月のお祭りイベントを行った際に、集客とは、お客様心理とは。っていうことを身をもって検証し、
それに付随してどうすれば成功させられるかの情報を集めていました。
モノ消費からコト消費
webショップから飛び出して、うちの洋服が実際に手にとって試着もでき、訳ありの服が安価で売っていますー!来て下さーい!
と言って、来てくださるヘビーユーザーもいると思います。(おこがましくてすみません!)
売上も0円じゃないと思います。(もう十数年運営しておりますから)
やるからには一見成功と言えるくらいの努力をすると思います。
それは売上だけで見るとです。(※非日常をつくるから、その日は売れやすい。)
満足して帰っていただく事ができるか?と僕は考えたのです。
服だけ販売するイベント。
例えば、2時間交通費までかけて山梨まできて服を買って帰る。
何でもすぐにネットで購入できる時代に。
なので服だけ売るってどんだけ素晴らしいサービスを提供しなくてはならないか。ハードルがすげえ高いです。
服を買うまでの動線からデザインをしていかなければならない。
豪華なホテルみたいにその空間がステータスじゃないっすからね。ここは。
この場所が草津温泉で周りに湯畑がある。とか。商店街が面白い。とか。洗練されている場所であれば、一日楽しめて、
帰る頃には全体的に山梨まできた満足度は上がっていると思います。
でもこの場所は一軒の居酒屋とローカル線が通る夜も静かな住宅街です。
一人でポツンとしない。
遠くから来るって事はお友達と一緒だとか、家族と一緒だとかのケースが考えられます。
当人はうちの服が好きかもしれない。でもお連れ様は?
当人が服を選んでいる時間は苦痛でしかない。はやく帰りたいよー。です。
店員さんとの話長いよ、僕は携帯のゲームで時間潰すしかないよー。です。
これはお連れ様の満足度を下げてしまってます。いい思い出になりません。
ここまでデザインしてイベントを行う必要があります。
飲食と一緒じゃなきゃイベントはやらない。
お連れ様にも満足していただくのが目的ですから時間も潰せてリラックスできる空間が必要だと考えます。
時間をかけてきてくださってますからこの落ち着けるところがあれば助かります。
お食事もしながら緊張をほぐし、縫製工場見学をするという「コト消費」です。
当人は「モノ消費」でも良いかもしれない。しかしお連れ様は「コト消費」がベスト。
そして帰りの車の中でみんなが「楽しかったね、良かったね。」になること。
共通の話題が出来るってことが大事だと考えます。
実店舗を出すなら
お店を構えるならモノを売るだけの要素が高い場所ではやらないです。
上記の理由からお連れ様の満足度が下がるからです。
飲食があるところ、体験が出来るところ、毎週イベントをしてるスペースがあるとか。
そんなところが現状ベストです。
お連れ様も一緒に体験を楽しめるかどうか。そしたらまた一緒に来てもいいよー。になります。
拡散されてない。
上記を踏まえた上で僕らのお客様の話。
今はSNSからの流入ってすごいですよね。
ネットの口コミで興味を持つとかフォローしている人が紹介していたとか。
僕らはどうなっているのか調べてみました。
リネンブランド「wafu」は既存のお客様からの拡散はほぼなし!ダメじゃん。
エゴサーチしても広まってないのがよく分かります。
これは致命的です。
この先も運営していくのならSNSで投稿していただけるようにならないと確実に衰退していきます。
また、主にTwitterなどを拡散力のあるツールを気軽に使っているようなユーザー様に来ていただけること。
そのためにはお連れ様も楽しんでいただけるいろんな点が必要です。
うちで言うなら服、飲食、工場見学&シェアハウスなど、3つ点を線にしてエンタメとします。
ネットに上げたくなるような画像が撮れれば、もしその日は売上がなくても広告にはなります。
それとどれかが引っかかればいいのです。服に興味がなくても食べ物に興味がある。でもいいので来やすくなります。
まとめ
1,イベントをするならお客様、お連れ様の両方の満足度を高めること。
2,拡散力のあるユーザー様に来ていただけるようないろいろなエンタメを用意すること。
まずここだけ気をつけて検証していきたいと思います。
以上議事録でした。
綿貫陽介