ジャパニーズ藍染、実際にやってみた。3話
これまでのお話
「ジャパニーズ藍染、実際にやってみた。」
1話 :https://handmade-wafu.com/essay/indigo/
2話 :https://handmade-wafu.com/essay/indigo-2/
もうお気づきの方も多かろうと思いますが、
よみもので紹介した正藍染めのワンピース、できたのです。
以前にお話したとおり、生地から染めました。
藍窯の大きさ制限で多くのメーターを染められず
スカート部分はネイビーのリネン100%素材を組み合わせましたが、
またこの色相の組み合わせが美しい。
こちらは、シャツワンピース。
https://handmade-wafu.com/SHOP/a64-17.html
藍の静かで洗練された色が、丁寧な仕立てのシャツデザインに良く合います。
このような染め、そして生地を、こんなふうにシャツドレスにできる服屋は、
なかなかないと思います。
こちらは、本日お披露目の着物襟ドレス。
https://handmade-wafu.com/SHOP/a84-8.html
襟の直線と染めムラの直線がリズムを生みますね。
和のドレス、といった作品に仕上がりました。
ステッチも丁寧に施していますよ。
とにかく藍色、ほんっとうにきれいです。
深く、しっかり染まっていて、誠実で揺るがない美しさがあります。
以前のよみものでもお伝えしましたが、色落ちはあっても、退色しない正藍。
使い込めばこむほど、味の出る素材。
服は布から作られ、布は糸から作られ、糸は自然界の繊維から作られます。
元をたどると、植物だったり動物だったり、
そういったものから命をいただいて、服を作ります。
言われてみれば当たり前のことかもしれません。
ですが、日々の雑多なことに追われ、忘れてしまいがちと言えなくもないかもしれません。
そして今回は、その染料、「藍」も、自然界からのいただきもの。
ていねいに、ていねいに抽出して、美しい色になる。
その美しさを形にさせてもらえる。
その形を纏わせてもらえる。
そんな贅沢さに感謝しながら、お仕立ていたしました。
藍の輝き、素晴らしさ、それを作り出せる手仕事の尊さ、
それを知りながら服を着ることで、整う気持ち、
着ていただいて、体感していただけたらうれしく思います。
文・笠原里紗