リネンの長所(メリット)と短所(デメリット)
リネン(麻)について
優れた機能性はありますがデメリット(短所)もあるので上手に付き合っていく事が大事です。
一般的な見解で短所だと思われる部分をご紹介いたします。
【リネンの短所】
1,縮み
リネンの密度によって違いはありますが、5%~10%ほど縮む特性があります。
特に30度以上の温度のお湯で洗ってしまうと、縮みやすいので注意が必要です。
縮みは数回のお洗濯で縮は止まります。
特に縮ませる目的がなければ乾燥機などは避けてください。
私達の仕立てるワンピース類であれば概ね縦に3cm程度縮みがでます。
2,皺(シワ)
リネンは着用や洗濯によって繊維が偏ったり生地にハリがあるのでシワになりやすいです。
お洗濯での工夫として脱水時間をできるだけ短くします。アイテムにもよりますがワンピースで20~30秒程度で止め、
パンパンとシワを伸ばしてから干します。洋服に水分があれば水が繊維を伝ってシワを伸ばしてくれます。
アイロンをかければきれいですが面倒という方のために
対処法として、すすぎの最後で洗濯のりを入れるという方法もあります。
「せんたく糊のハイクリーチ」を使ってみてください。
ポリビニルアルコールと記載されているものであれば大丈夫です。
洗濯後も、ピシッとした風合いになるので、
シワが気になる方は裾などにつけてみてまずは様子を見ていただければと思います。
さらにシワ取りスプレーという選択もあります。
私達は都内での販売会の際に使ったりしていますが効果があります。
作品を送る際はどうしても小さく折りたたむのでシワになります。
そこでリネンなのでどうかなと思って使ってみたのですが夜にスプレーして早朝開店時にはシワが気にならないくらいとれていました。
時間はかかりますが有効だと思い常備しています。
3,節(ネップ)
リネンの繊維は不均一になりやすく絡み合ってできた糸の節が生地表面に出たものをネップと言います。
生地の表面に太い節や玉状のネップは繊維の性質上どうしてもできてしまいます。
玉状のネップが目立つ場合の対処法としては目打ちなどの先のとがったものを使って生地の裏側に押んでいくと目立たなくなります。
【リネンの長所】
デメリットとして気になる点を上げてみましたがメリットでの恩恵の方がはるかに多いので、
リネンの特長(メリット)についてそれぞれ説明させていただきます。
1,吸湿性(吸水性)
麻の吸水性は綿のおよそ4倍と言われております。
普段洋服を着ていて発生する湿気をすばやく吸水してくれます。
服地など生地出荷時に糊付けされている場合が多いので数回洗っていただくと柔らかくなり糊がとれてよく水分を吸ってくれます。
2,耐久性
コシが強いリネンは頻繁に行うお洗濯にも強さを発揮します。
同程度の厚みコットンに比べても約2倍の耐久性があります。
濡れると強さが一層増す性質があります。
リネンは特に耐摩耗性もあり丈夫で長持ちします。
3,抗菌性
細菌の発育や増殖を阻止する性質が備わっています。
その為、カビや雑菌の繁殖を抑えてくれる効果があり、キッチン用品にはピッタリです。
リネンの繊維に含まれるペクチンの効果で、汚れが染み込みにくく、汚れにくいのです。
4,保温性
リネン繊維は、中が空洞になっていて空気をため込む性質があります。
体温が上昇したら熱気がその空気層に行き、溢れた熱気は外に出します。
この繊維自体が一定の熱量変化に自動で対応してくれることで
内側の温度を一定に保つことができるのです。
なんとも頭のいいことか。
wafuのリネン寝具は特に感じることができます。製作者の私自身ビックリしたんですから。
真冬にwafu特性リネンシーツと掛けふとんカバー。掛ふとんの中身はどこにでもある羽毛布団一枚だけ。今まで毛布をかけていたのに。
自信を持ってオススメします。
5,速乾性
リネン繊維は、中が空洞になっていると、保温性のところで紹介しましたが
これが速乾性も兼ねているんですね。水分を自然に外に出そうとするのですぐに乾きます。
洗濯しても自然乾燥で十分乾いてしまいます。
6,防臭
綿は汚れが繊維の中に浸透しやすいので、匂いもつきやすいのですが
リネンはペクチンという成分が汚れをはじいてくれるので繊維の表面にとどまっているからなんです。
そのため匂いもつきにくく防臭効果があるってことなんですね。
7,熱伝導性
麻は、天然繊維の中で突出した「熱伝導率の高さ」を誇っています。
綿やシルク、さらにはウールでさえもリネンには勝てません。
熱伝導というのは、物質ごとに熱の伝わりかたを表したもので、
その物質に手をふれたとき、熱伝導が高いほど、つめたく感じます。
最初はヒヤッとするのですが熱伝導が高いのですぐに温かくなり、その温まりの速さはウールさえ勝てないのです。
リネンは呼吸している天然繊維だと言えます。
夏も冬も万能に使える素材だということをこれから私達のアパレル事業を通して証明していきたいと思います。