衣食2.0
飲食店を経営するにあたって、都内を歩き回り、
いろんな方々の本をみて自分なりに道筋をたててみました。
まずお客様となる方々は地元の人。
ご近所のおばちゃん、おっちゃんや直径1㌔圏内の人たち。
僕たちのスタジオがあるこの辺りは駅前に焼き鳥屋さんが一軒あるだけの小さな集落です。
別にお洒落なスポットもないですが都会にない、ご近所付き合いは結構あります。
そんな場所に小洒落たローマ字で書かれている看板やメニュー表は、私らの入るお店じゃないわと敬遠されちゃうと思いました。
この土地には馴染まないんですね。
感度のある都会の方やお洒落に敏感でかっこいい人が来たくなるお店は
スターバックス リバーブに任せておけばいい。と(昨日、実際に中目黒に行って体感してきました。)
それに、そういう方々をお店に呼ぶって相当な労力がかかります。宣伝や内装にもお金を使うし、料理も気を使う。
信頼関係も一から構築していかなくてはならない。
ただ、ご近所はどうだろう。もう信頼関係とかある程度ベースができてるじゃん。
ちっちゃい時から顔なじみじゃん。おばちゃん、おっちゃん、先輩、後輩。
この人達と一緒に運営していこうと考えました。
運営ってどういうこと?!
そして最初はメニューもなし。
え?! どうやって運営するの?となりますよね。
ご近所を巻き込む。
近所の人にまず、豚汁でもなんでもいいからまず作って食べてもらう。
もちろん無料でいい。
その上でご意見を聞き続ける。建設的な意見や提案があるまで、ずっとやり続ける。
3ヶ月くらいを考えてる。
これは通常テナントを借りて営業する人達では絶対できない方法です。
(無収入で家賃が発生している状態)
僕らはスタジオの空き家を改装したので家賃はかからない。とことん話を聞きながらおばちゃん達の「食べたい」をカタチにしてみようと。
そしておばちゃんらのレシピをハックする。
聞くのが早いかもしれないが一緒に作り上げていく方がはるかに早くローンチできて効率がいいんじゃないかと考えた。
だってそれ美味しいから何十年って家族に作ってるんでしょ。と考えた。
誰もやってない事を実行するのがケンタッキーフライドチキンより好きな綿貫らしい考えである。
この辺りは農家が多く、例えば、「田中さんちの人参と板倉さんちのナスで取れた野菜炒め」というコラボ企画を仕掛けて楽しみたい。
そしたら、田中さんちのおばあちゃんが友人の中澤さんに「あそこにうちの野菜の料理があるんだわー。」って宣伝してくれるかもしれん。いや言いたくなるはずだ。
そしたら宣伝広告費はいらない。
そしてそのままコミュニティの場として使っていただく、今日は「仙澤さんがおると思うからちょっと寄るわ。」なんてことになる。
リピート率がすこぶる高くなる。ご近所だけに。
しかしながら売上単価が下がる。と見込んでいる。毎度お金を使えなくなるだろう。
なので、週替りでメニューを入れ替えて今週は「ハンバーグ週間」っていうのも悪くない。飽きさせない工夫をこらし、その都度ご近所でバズってもらいたい。
僕の計算だとお客様の来店人数の8割を地元住民、2割をそれ以外の外部から起こしくださった方と見込んでいる。
そしてこの2割のお客様が売上の80%を締める構造をつくりあげようと思っている。
それは僕らのメイン商材である洋服の販売へつなぐ動線だと思う。
実際に洋服が出来る工程が見えて、職人の顔が見えて、その服や雑貨が買えて、寝具も試せる。そして 食事が出来る。
わざわざ時間をかけてくるのだからお土産くらいの価格帯の商材を用意しておく。
そのお土産品が大事だと考えてる。
自分には服を、家族やお友達にはストールやポーチを。
これが僕の「衣食2.0」アップデートだ!
僕らの利点を最大限に活かして失敗できないくらい詰めて挑む。
ただ、スタッフが足りてない。売上がでないまま3ヶ月を過ごす覚悟で雇用し耐え忍ぶ事ができるかどうか。
そうは言っても僕は一歩踏み出すであろう。
お金を銀行から借りるであろう。
そのためにこの手の内をアップして逃げられない状態に自分を追い込んでいるのだから。
文/写真・綿貫陽介