スタッフのそれぞれから勝手にボクの意見を言わせてもらうと。
相棒の笠原がアメリカに行っている。
パワースポットやのなんやので、グランドキャニオンに行っている。
安否確認をしたら、かえってきた言葉は 「涙がでる壮大さ」 らしい。
非現実的な空間で自分を見つめ直してリセットしてるように感じた。
ボクはというと相変わらずネットで画像をみながら あたかもその場所に行ったかのように写真旅行をする。
「ここのホットドックはピクルスが沢山入っていて最高だ」とか。
縫製の若手職人、ヤナセは 姓名判断の占いに行った。
自分の今後と向き不向きを再確認したようだ。
今、どこに向かっていくのか、その方向であっているのか?
結果は今 誰にも分からない。
いつも疑問があってそのモヤモヤを解決するために行動していくのはいい。
なあなあと仕事して、一定量のお給料をもらって、時間を費やすのはボクも好きじゃない。
その仕事に意味を見出していくほうが断然面白い。
彼はやりたいことをまだ実行に移せないでいる。経験不足なのもあるだろうが、その背中を両手で押してやろうと思う。
どういう自分になっていくのかは、トライして失敗をしたときの結果から形になっていくものかもしれない。
ボクは相当勉強代を払ってきたと自負している。うわーやらなきゃよかったー!て思ったことは数えきれない。今思えば恥ずかしいことも沢山あるし。
だからかもしれないが、意見を求められるとズバッと言えるようになった。
人は年齢だけじゃない、経験量が大事かもよ。
ヤナセが好きな苦いコーヒーを飲みながら話をした。
笠原がアメリカSedonaに旅立つ前日に
僕らはうどん屋にいた。
撮影の為、富士吉田を訪れたのであった。 妻とヤナセと岡田とボクで。
webデザインを担当している岡田が昔、両親とよく食べたうどん屋。
岡田は30代の既婚女性で 幼いころに韓国から家族で一緒に日本に移住した。
今は訳あってそれぞれ家族離れ離れで暮らしていて数十年合うことができていない。
その岡田が案内したうどん屋は、
一見、普通のうどん屋だが彼女にとっては兄と両親とで時間を過ごした思い出の場所。
何十年と昔から変わらない味と雰囲気だそうだ。
岡田の顔が急に素敵な顔になったのを感じた。脳内のカタカナのなんかが分泌したんじゃないかな きっと。
岡田は昔から天ぷらどんしか食べたことがないと言って今回も天ぷらどん。
ゆっくり、ゆっくり噛み締めているのを感じた。
思い出の場所っていいな。
ボクらの縫製スタジオは2016年9月に完成した。
いつでもある。ずっと続いてる そんな場所にしたいと思う。
その為に持続可能な服仕事のあり方を真剣に考えた。
雇用と伝承とが両立する。 AIのように蓄積されてビックデータになるようにだ。
そのためにヤラなきゃならないことはもう見えてます。
全力を尽くします。
文/写真・綿貫陽介