wafuとシャネルとファッションと。ーwafu的ファッション事典
先週末に、映画「ココ・アヴァン・シャネル」を見てみました。
(※2/10のよみものを参照)
よくあるサクセスストーリーではなくて、
シャネルの静かな情熱が淡々と描かれていて、女性としてすごく影響を受けました。
そんなシャネルの人生のスタイルや言葉の中に、
wafuと通じるところがありましたので、ご紹介したいと思います。
言わずと知れた世界的ブランド、CHANEL。
その創業者であるシャネルは、幼いころ孤児となり、若いころ歌手を志し、
自分の真の才能に気づき、今に通じる女性ファッションの基本的な考え方を打ち出しました。
1910-1920年代ヨーロッパの女性の服装は、なんとなくドレスのようなイメージがあると思いますが、
その下に、コルセットを着ている姿を想像することがあるでしょうか?
私は想像したことが全くなく、今回映画を見ている中で改めて、
「あ、みんなこの下にきっついコルセット着てるんだ」と思いました。
映画の女優さんのインタビューの中で、
エミリエンヌ役のエマニュエル・ドゥヴォスさんも、
コルセット衣装の着脱がものすごく大変だったと語っていました。
(対してアドリエンヌ役のマリー・ジランさんは、
その衣装の”女性らしさ”や”その時代の独自性”におもしろみを感じてもいたようです)
それだけ窮屈だった服装に、ラフさを取り入れていったのは、シャネルでした。
窮屈さをから女性を開放し、
けばけばしさだけではなく、シンプルなエレガンスを打ち出しました。
この部分は、wafuと共通している、と私は感じました。
シャネルの名言として取り上げられているものの中に、
”シンプルさは、すべてのエレガンスの鍵”
”服の優美さは、身動きの自由さにある”
があります。これは、wafuのことだなあと思いました。
wafuデザインの基本は、
「シンプルであること」
他の装飾品がなくても、完結する服。
それは、布地へのこだわりや、縫製の丁寧さ、
そのディティールにこそ美が宿り、
他の装飾は本来不要であることを語ります。
「ゆとりのある洋服」
パタンナースタッフはいつも腕ぐりの動きやすさを大切にしています。
どんなに美しく見える服でも、その人の動きを邪魔しては意味がない。
服が主張するのではなく、服はその人の美しさを引き立てるもの。
それは、着る人の動きに沿うことで、心のゆとりという美を生み出します。
タイトで体を出すラインもいい。
美しく飾り立てるのもいい。
どれを選ぶかに、正しいも間違いもない。
そして、wafuでは、そしておそらくはシャネルも、
「シンプルであること」を大切にすることのおもしろさを楽しんでいるように思えました。
そして私もまた、
そういった在り方に共感し、ここにいるのだと思います。
私も体に圧を加えること、必要のない飾り付けをすること、
自分には合わないなと感じています。
そういったことをすると、息苦しくなるのを感じます。
ファッションだけでなく、生活や自分のあらゆる面で、そう感じます。
そういったものを取り入れるのもいいとも思います。
私もそういった目新しいものがおもしろいと思い、試すこともあります。
そして、自分の気持ちが落ち着くところ、
シンプルであることに戻ってくるのかなとも思います。
シャネルという人物を通して、
自分や、自分が所属する会社が見ているもの、
その必要性とおもしろさを改めて感じることができて、
とても充実した週末となったのでした。
文と写真・笠原里紗