非効率を選んだのよ。
洋服の製作から販売までをさせていただき11年目となりました。
みなさんに支えられて今があること。すごく感じております。感謝。
私がミシンを踏みの修行をしていたころは、数を多く縫わなければ仕事になりませんでした。
一着仕上げていくら です。
まあ、製造工場は、スピードと正確さを重視するのは当然ですね。
手作業なので夜11時くらいまで縫製してましたっけ。
こんなこと数年やってると、体がもたないなってことになりまして
自ら販売することに挑戦したわけです。
大手メーカーさんにように沢山作って、卸販売と直営でできればいいのですが
初めからやっても生き残れる訳ないって思ってましたんで、
直接、お客さんに販売する方法を選びました。
そしてそれは他に簡単に真似できないことが鍵でした。
特長はサイズオーダー。
だって体型に合わせてオーダーできるお店ってなかなかないし、とても細かい作業だし、値段も含め
他の方もやらないと思ってます。
まず、型紙を作るのに時間がかかる。
体型を想像して作るので頭に体型が思い浮かばないと無理ですし、
これだけで何日もかかることはざらにあります。
それを、数日でやってのける。
チャレンジです。
赤字になることだってあります。これ。
1着作るのに時間がかかってオーダー代金をかるくオーバーしちゃうことも結構あるんです。
会社として運営していくなら非効率でダメだと思います。
知識や経験、縫製の技術力が発揮できるうちは続けていきたいと思ってます。
昔みたいにアパレルメーカーさんから依頼を受けて縫うだけの方が楽です。
リスクが少なくてやること一つだから。
でもこれじゃ魅力が少なく、お給料も少なく、続けられる担い手が少ないってことはハッキリ分かりました。
今は、作業がとても多くなりましたが、やりたいという方が多くなりました。
新しい縫製業の形だと思ってます。
非効率の中に新しい形を見出してくんだ。
文・綿貫陽介