少数限定のアパレルブランド
アパレルは従来、1つのデザインを例えば1000着作り
売れ残ればセールをするといった販売方法です。
僕は縫製工場の職人として従事していた頃、
今作っているこの服の価格はいくらなんだよ。と疑問だらけでした。
さらに多く作らせれば一着あたりの単価が下がる。という通例から
僕ら工場側は安請け合いの連続です。
山梨の多くの同業者は疲弊し、廃業。
ここ20年で技術継承する担い手がまぁいなくなりました。
ペンペン草も生えません。
「持続可能なアパレルのあり方とはなにか」
wafuがやるべきこと。
僕らwafuは1つのデザインで数着しか作りません。
しっかりと売り切れる数だけ。
でもデザインを1000個つくります。
これはデザイナーやパタンナーの育成、やりがいにもなりますし、
縫製職人目線で申し訳ないのですが
異なるデザインを多く作ることにより場数を踏み、
職人は縫製技術が格段に上がります。
さらに僕らは一人一着づつ作る生産方式を採用している為、
技術継承の年数も相当早いスピードで行えます。
それと、コットンよりもエコ素材である天然素材のリネンを選んだのもそう。
衣料として快適性はもちろん、環境に優しい。
水も肥料も最小限でOK。すぐに育つし、最後は土にかえる。
もっと伝えたいことは沢山ありますが簡単にいうと、
今後の「持続可能なアパレルのあり方とはなにか」を
自分なりに出した結論です。
世界が大量生産の末に待っていたのは環境破壊と産業の衰退でした。
僕のこの考えはお客様目線ではないですし、
むしろ「産業の維持」や「環境に配慮」した思考なので
商売としてはどうなのか分かりません。
両立はムズカシイ事も理解しています。
ただ、僕の人生を全て使うので、
世界が、産業が、よりよくなっていく事に全力で挑ませてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
文/写真・綿貫陽介
プロフィール
2000年 アパレルのセレクトSHOPに入社
2004年 家業(家族3人)を継ぎ 縫製職人になる。 借金が数千マンあり一日11時間縫う経験をする。
2008年 オリジナルブランドwafuを立ち上げ、自分でデザイン、パターン、縫製、販売まで行う
2016年 縫製スタジオを建設し、アパレルに携わる人の育成・継承を本格的に始動する。
2019年 cafeと宿泊施設の運営を始める。
2020年 新施設の建設が始まる。 2021年完成予定