リスクと引き換えに得るものはなんだろうな。
僕たちはメーカーになった。
自分たちで仕事を作るメーカーに。
時代に合わせてスピード感をもって変化していくことが出来るし、
値段も自分たちで適正を判断して決める。
へんな中間マージンの発生や品質を落として高く売るようなことをしなくていい。
ただ、一ヶ月後の利益が読めない。すごくリスキーだ。
安定した業態ではないが毎日が刺激的なのは言うまでもない。
わかるかな。これはまるで大空を羽ばたく鳥のようなんだよ。
自然界は最低限の暗黙のルールがありながら弱肉強食の世界。
ゆっくり食事でもしてるもんなら後ろからガブリと食べられちゃう。
場合によっては骨も残らない。
いかに生き延びるか。強くなるか。
僕は力がほしい。
昨日、近所の女性がこのスタジオで働きたいと言ってくれた。
この会社なんか面白そうだと思ってくれているらしい。
そんな危ない箱を開けるかのような、もう後に引けない綱渡り経営っぽさが
僕からにじみ出ているからなのかもしれない。
人生をかけたリスクと引き換えに得るものはなんなんだ。
日々のハラハラドキドキからのサクセスストーリーか。
そんな陳腐なものじゃない。
もっとみんなを幸せにしたい。人生かけてるんだから。
文/写真・綿貫陽介