自分のルーツを知る。
自分のルーツを知りたくなったのはここ最近のこと。
親父におじいさんの事を聞いたりはしていたがその祖先はよく分からない。
NHKのファミリーヒストリーを見て、自分がこの世に至った経緯を知りたくなった。
僕が服を作るきっかけになったのはご先祖さんがいたから。
服飾の学校に行ったわけでもない、
デザイン学校に通ったわけでもない。
パタンナーの仕事をしていた訳でもない
そんな知識のない僕が服を作り出すことになったのは間違いなく服職人である親の影響だし、おじいさんから続いている。
それまで知っている事として、
1,うちのおじいさんは次男で家業の石屋を継がなかった。
2,生まれは山梨県塩山市、作家 樋口一葉と同じ。生家も近い。
3、早稲田大学を中退後、東京で縫製を習ったようだ。
4,戦後、学校の先生になるよう勧められたが給料が安く、断った。
5,甲府で縫製工場の工場長として勤務後、独立をした。
僕は週末、おじいさんの親の墓を初めて訪ねてみることにした。
街道、景色、山、どこにでもある田舎の風景。
ここでおじいは育ったのか、遊んだのか。
坂道ばかりで細いみち。昔はお蚕の飼育のため桑畑が一面にあったようだ。
自分だけじゃない、ルーツを創ってくれた方々に感謝。
昔は考えもしなかったことだけど今、自分はそんな気持ち。
だって出来すぎてるでしょ。
学力がない、金もない、できることは野球だけの僕だったが社員をかかえて会社やってる。
何の因果がわからないが祖先からすべてつながっている気がしてる。
仕組まれているのかな。
70数年前の墓石
お寺に着くと通路のない墓石がずらり。他人の墓地に入りながらそこに綿貫があった。
おじいの父さんの名前は久治郎さんというのか、墓誌からいろんな情報が入ってきてゆっくり紐解く。
祖先が一生懸命に生きた、僕はなるべくして生まれ、命尽きるまで伝えていこう。そうして繋いでいこう。
頭がよくないので簡単に考えて、これが使命だということにした。
命をかけられる、納得できるもの。それが今の僕には服を作るということでそれを通して職人を育て、人を育てていきたい。
今はその土台作りだ。
文/写真・綿貫陽介