家業を継ぐということは。2話
まず僕がとった行動は 一連の仕事の流れを把握すること。
タダで今すぐ出来ることから考えた結果 タイムロスをなくす事を一番に考えた。
縫製工場っていっても家としても兼用で使っている十数畳の作業スペースなのでめっちゃ狭いし、物に溢れてる。
どこにいった、あれがない!なんて事が日常茶飯事でその度に時間と労力を使うのはアホだと思った。
整理整頓から始めたんだ。
キレイでないといい気いい事が入ってこない と思っているからだ。
整理を始めていくと何年も使ってない残布が押し入れに眠ったままで湿気でやられてる。
押入れのふすまをとって捨てちゃった。もう、使ってないものをバンバン捨てた。
親父の世代はものが捨てられない人も多い。
それが空間を圧迫して作業スペースが小さくなり、仕事がしづらくなり結果ミスにつながる。
このエンドレスだった。
空間もお金と一緒、できるだけ工夫し広く効率的に使うことでミスが少なくなってきたのを感じた。
これはタダでできることだぜ。
親父は機嫌が悪そうだったが、変化、改革を起こす時は必ず痛みが伴う。強い意志をもて。そういうものだ。
僕は20歳からタバコを吸っていたがこの仕事についてからきっぱりやめた。もうきっぱりとだ。
買うお金がなかったのも一理あるが、強い意思は自分から示さなければ伝わらない。
自分が変わらないに人に変化を強制するもんじゃない。
人が理解してくれないのは伝わなかったからだ と思うようにした。
頭を丸坊主にして両親に縫製を教えてもらった。
文/写真・綿貫陽介