自分の現在地って知ってます?
今、縫製屋のカフェは改装中です。
もう、1年くらいこんな事やってるかなー。
先代と古民家の解体から始めて、スタッフで漆喰を塗って、食器を選んだり。
自分達でやるのも面白いし、もちろんプロに任せないといけない箇所もあるので大工さんにやってもらったりしてます。
いつもお願いする大工さんは左腕が不自由なんです。左肘が曲がらないんですね。
でもしっかり仕事してくれてます。だからまた頼んじゃう。
ハンデを感じさせない。もしかしたらハンデを補う為に人一倍努力しているのかもしれない。
僕達、健常者は普通にこなしている事でも彼らにはハードルがあるし、健常者と同じようにする為に自分の足りない部分をよく分析して行動をしている。
この姿勢は、技術職の僕らにはとても大事な事で、素晴らしい綺麗な縫い方を知らなければ、自分のレベルが分からない。
自分の足りてない部分を分析する事がとても大事です。
「人の振り見て我が振り直せ」かな。
今日、朝一番で若手職人のヤナセに「ここはこうなるからうまくいかないんだ。これやり直しー。」と注意し修正点と縫い方を教えたが
知らなければずっと2流の代物だ。
自分の位置を知る事。そして今出来る最高の仕事をする。
そうやって祖父と親父は60年以上縫製を続けてこれたんだと思う。
今、20代の若手が6人います。この業界にしてはとても若い会社だと自負しています。
高等技術を覚えるまで時間がかかるけども自分を知りながらこれを未来に残してほしいと思う。
その若手を雇用できること、これも服をご愛顧いただいてる皆様のおかげ。
その事も思って、洋服を届けてまいります。
文/写真・綿貫陽介