相棒。
服作りに忘れてはならないのは、
「道具」です。
人間の手だけで服を作ることはできません。
はさみ、針、糸、ミシン…
その道具たちが頑張ってくれるから、
服が形作られていくのです。
この道具、「目打ち」と言います。
綿貫社長愛用の1品で、
かれこれ十数年、同じものを使い続けているそうで、
しかも使い始めた当初から、中古だったようなので、
この目打ちが何年仕事をし続けているのか、想像すると「すごいなあ」と思います。
私の仕事ぶりは、まだまだこの道具たちにすら及びませんが、
この目打ちをみて、その佇みがかっこいいなと思い、そのかっこよさが現れるように写真を撮れたらと、
一生懸命試行錯誤しました。
撮るものと対話する、そんな感覚をこの目打ちは教えてくれました。
さすが先輩。ありがとうございます。
私の先輩たちである道具のみなさんのことも、
よみもので扱っていけたら良いなと思います。
文と写真・笠原里紗