家業の立て直しとそれを継ぐ事という事は。
昨日、同級生の宝飾関係の跡取りがスタジオに来た。
洋服とのジュエリーでアーティスティックな事を思いついたらしい。
彼も自社工場をもって製造から販売まで行っている。僕達と同じスタイルだ。
いままでクラスも違い話すことはあまりなかったが偶然同じ境遇にたった僕らは
これからどうしていくか、時間も忘れ話し込んだ。
そう、ブランドというのは星の数ほど生まれ、弱きは消えていくもの。
そうならない為に今出来る事が間違っていないか、一番先に何をするか、お互いに確認した。そんな感じがした。
僕は24歳の時に縫製業を継ぐ決意をした。
当時でさえ業界でも担い手はほとんどいないのが実情である。それは儲からないからである。
親と同じことするってことだったらやらない方がいい。結果が見えてる。
大きな改革が必要だ。
改革には痛みが伴うのも承知していよう。
反対が必ずある、僕も反対されたことを推し進めた結果、ケンカも多くした。
反対があって普通なんです。それだけその人も必死に考えてる証拠。
しかしながら、こうすればこうなるという道が見えていたんだ。進まないわけにはいかない。
きっと結果がついてきたときに周りが見えてきて何も言わなくなる。それまで進んだ道に一生懸命になろう。
途中でやめるのが一番よくない。根拠のある試算をしたなら、とことんやるんだ。
「あぐらをかいてる!」「ワンマンだ!」と言われるかもしれない。
それは強いリーダーシップがあるということと表裏一体だ。
いい方に受け止めて進もう。
これから家業を立て直すことを決めた人へ、
いろんなことに目を向けて点と点を結ぶ。総合的にいいと判断した道へ進もう。
遅かれ早かれ、ずっと同じ事をしてたら潰れる。
あきらめないで。
文・綿貫陽介