過去、現在、未来。
日本の縫製業ってリスクがかなり少ない業種です。
メーカーさんから生地や付属品を支給されて糸だけ自前で用意して縫う。
縫って金額入り下げ札を付けて納品します。
裁断して縫う事だけをやって食べれる時代はバブル期で終わりました。
メーカーは人件費の安い海外に仕事を振り、日本の縫製業は次々に廃業、
もしくは工賃が下がり続け、子供服の前開きでボタンが付いた服が一着650円というのもありました。
海外と同じ工賃です。とても食べていけません。
僕は昔を振り返ると、工賃が安いので長い時間働いたけど今よりずっと楽な事をしていた思ってます。
縫う事だけを考えればいいから。
一つの事だけしか考えなくていいのは楽です。
楽をし続けるとなかなか新しい事が出来なくなる。
またいい時代がまた戻ってくる!なんて理屈のなしに信じてる。
今は時代が急速に変化し、クオリティの高い縫製することは当然の事、
いろんなことに目を向けて知識を入れなければならない。
僕たちの場合はwebショップに付随する膨大な知識の習得、SNSの活用、従業員の働き方、利益を得る仕組み作り。
もう、そりゃあ 考えすぎてくたくたになりますよ!
僕みたいな小さな会社の経営者は経理や労務管理も一人で行いますからなおのこと。
でもね、多様な事を考えていかなければ維持できない時代です。
特に日本の洋服流通は97%が外国製。
安くて、これで十分いいじゃん。ていう洋服が星の数ほどあります。
残りの3%が日本製。
国産の場合、どうしても洋服の価格は高い。売りにくい。
僕らは直販ですからギリギリまで安くすることは可能です。
しかしながら それは会社として長く続きません。
薄利多売の場合、いい仕事ができない。職人を雇用する十分な給料が出せず魅力を感じない為育たない。
そのはざまでどうやって続けていくか。
今、実行中の企画なのが百貨店などの店頭販売。実際に手に取って職人が縫ったものを感じていただきます。
これ、やってみて赤字だった事もあります。
簡単なもんじゃないです。
リスクをとって勉強し次へつなげる。その気持ち。
まずは多くの方に知っていただこうと思います。
来月は台湾で販売を行います。やってやろうじゃないか とことん!
文・綿貫陽介