縫う事は付加価値を付ける事とみつけたり。
僕達wafuが行う生産スタイルは一人が一着ずつ仕立てます。
今日は岐阜県から27歳の男の子が遊びに来たんです。
以前小田急百貨店の展示にわざわざ作品を見に来てくれたんだ。そこで知り合った。ヤナセくん
今日会うのは3回目、縫製業を本気やりたいと言っている。
だから来年からwafuに加入することになった。
山梨に移り住み、基礎から。
覚悟のある人は僕も覚悟をもって応える。
彼は一人が一着ずつ仕立てることを望んでいる。
責任感が問われるwafuスタイルだ。
通常縫製工場は分業をして袖だけ縫う人、アイロンを主にする人など、作業を効率よく分ける。
僕達みたいなこんな非効率な事はしない。
その為、僕達はミシンやロックやアイロンも一人一台ずつ必要でコストも時間もかかる。
彼も岐阜県という日本で一番縫製が盛んな場所で僕達のような生産スタイル工場を探し回ったが見当たらなかったという。
世の中に洋服はあふれてる。
無機質な部屋に並んでいたらどれが高くて、どれが安いものか分からないほどに。
僕達の服を選んでくれる人が何人いるだろうか。
手を伸ばしたくなる。そんな服作りをしたい。
文・綿貫陽介