大人だからって、毎日ちゃんとしていられるわけがない。
気合の入ったコートは重いし、肩が凝る。
かといってスウェットのまま外に出れば、ただの「くたびれた人」になってしまう。
手抜きはしたい。でも、だらしなくは見られたくない。
歳を重ねるほど、人間はどうしようもなく図々しくなります。
その都合のいい我が儘に、真正面から応えるのがこのシャツコートです。
ベースにしたのは、本来なら大工やペンキ塗りが着るような無骨な「カバーオール」。
ポケットがやたらと大きくて、頑丈な作業着。
それを、あろうことか25番手の太い糸で織り上げた、肉厚なリネンで仕立てました。
この組み合わせが、面白い。
形は無骨なワークウェアなのに、肩を通すと、生地が身体の丸みに沿ってストンと落ちる。
25番手ならではのふっくらとした肉厚感があるのに、リネン特有の「とろみ」が勝つ。
この落ち感のおかげで、中に適当なカットソーを着ていようが、
羽織った瞬間に「あえて力を抜いている人」の佇まいが完成してしまうのです。
服の仕立てが、こちらの生活感を完全に隠蔽してくれる。
両腰のパッチポケットは、長財布も鍵も文庫本も、無造作に放り込める大きさ。手ぶらで歩けます。
少し風がぬるくなったら、袖口のスリットを利用して袖をくるっとひと折りするだけ。
手首が覗くだけで、急に小綺麗に見えるから不思議です。
背中には深いセンターベントが入っていて、歩くたびに空気を逃がす。
中厚地でありながらリネン本来の通気性と速乾性が生きているから、
歩いて体が温まっても、あの嫌な熱気が中に籠もりません。
前を留めれば端正なロングシャツ。
開けて風をはらませれば、頼もしいアウター。
中身がどれだけサボっていようが、外側は凛としている。
服の力なんて、これくらいズルい使い道のためにあるのではないでしょうか?
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので3週間~4週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。