洋服のデザインにおいて、「ポケット」はときに脇役、ときに隠し味のような存在です。
でも、このスタンドカラーシャツに関しては、完全に「確信犯の主役」と言っていいでしょう。
お腹のあたりに、ぽつんと佇む大きな前ポケット。
これが本当に不思議なもので、目の前にあると、ついつい無意識のうちに両手がシュッと吸い込まれてしまうのです。
何かモノを入れるためというよりは、ただ「手を落ち着かせるための、最高の居場所」がそこにある感じ。
スマホをいじるわけでもなく、ただポケットに手を突っ込んで、少し肩の力を抜いて佇んでみる。
そのときの自分の姿が、最高にチャーミングに見えてくるから不思議です。
生地は、「薄リネンデニム」。
薄い、軽い、柔らかい。ゆえに、涼しい。
日本の夏をひっくり返そうとしている救世主のような生地です。
けれど、このシャツの本当にニクいところは、「夏だけのものではない」という点にあります。
薄リネンデニムは、着て、洗って、を繰り返すうちに、どんどんあなたの体に馴染んで「くったり」と育っていきます。
もちろん新品のときの凛とした表情も素敵ですが、何十回、何百回と袖を通して、角が取れ、クタクタのくたくたになった頃が、実はこのシャツの「一番美味しい状態」です。
くたっとした襟元、柔らかくなったポケットの口。
その、時間の経過さえも愛おしくなるような佇まいは、化学繊維のシャツには逆立ちしても真似できません。
夏は冷房よけにさらりと羽織り、秋や春はシャツジャケ風に一枚で主役に。
冬はニットやコートの下に忍ばせて、スタンドカラーを首元からきりりと覗かせる。
気がつけば春夏秋冬、365日いつでもあなたのそばにいる「相棒」になってしまうのです。
すっきりとした首元が知性を漂わせつつも、お腹のポケットが「ま、そんなに気張らずにいこうよ」とクスッと笑いかけてくるような、大人のユーモア。
格好いいのに、どこか愛おしい。
何年先もずっと、あなたの両手の特等席であり続けるシャツ。
ぜひ、クタクタになるまで、いっぱいいっぱい愛してあげてください。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので4週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。