「可愛い服」を卒業したはずの私たちが、思わず二度見してしまう理由。
「もう、レースとかフリルとか、
そういう甘いものは一通り通り過ぎました」
そうやって澄ました顔で大人をやってきたはずなのに、
このブラウスを前にすると、胸の奥で小さな芽が顔を出します。
「……これなら、着てみたい」と。
首元と手首に添えられた小さなレース。
そして、前にも後ろにも、これでもかと整然と並ぶ細やかなピンタック。
本来なら「可憐」に振り切れてしまいそうな要素ばかりなのに、
なぜかちっとも甘くありません。
むしろ、背筋がすっと伸びるような、静かな凛々しさすら漂っています。
その理由は、このピンタックの「誠実さ」にあります。
ミリ単位の狂いもなくまっすぐに縫い上げられたラインを見ていると、
仕立てた職人が息を止めて縫っていた姿が目に浮かぶようです。
「ちょっとでも歪んだらやり直し」という緊張感を潜り抜けてきたからこそ、
可憐さよりも先に「仕立ての美しさ」が立つのかもしれません。
生地は、wafu.ではおなじみの40番手リネン。
薄すぎず、厚すぎず、いわば「一番頼りになるクラスの優等生」。
最初は適度なハリがあって「きちんとした顔」をしていますが、
何度か洗って着込んでいくうちに、
くったりと自分の体に寄り添う「気心が知れた相棒」へと育っていきます。
身幅も袖も、驚くほどゆったり。
気になるお腹まわりや二の腕は、
ふんわりとした生地の陰影の中にすっぽりと隠れてしまいます。
しかし、胸元と背中に一直線に走るピンタックが
強力な縦ラインを作ってくれるおかげで、
鏡に映る姿はちっとも野暮ったくありません。
体型を隠そうと苦心しているのではなく、
「そういうデザインの素敵な服を着ている人」にしか見えない。
なんともありがたいデザインです。
細身のパンツを合わせてシュッと仕立てるもよし。
太めのチノパンやスニーカーで
「ちょっとレースを見せる大人」を気取るもよし。
後ろ姿にも同じピンタックが入っているので、
不意に振り返られたときも抜かりはありません。
「可愛い服を着る」のではなく、
「上質な服を着たら、結果的に少しチャーミングになった」。
そんな顔をして街に繰り出していただけたらと思います。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので3週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。