もしも国語の辞書を編むのなら、
このトップスの写真を載せたいと思います。
「デニム」という言葉の隣に、「ふわり」という形容詞を並べる。
それは本来、少しおかしなことなのかもしれません。
私たちの頭の中にあるデニムは、いつだってどこか武骨で、硬くて、ずっしりとした重さを持っているからです。
もし一般的なデニムでこんな風に広がるトップスを作ってしまったら、それはきっと、生地が四方に突っ張るような、ちょっとした悲劇になっていたことでしょう。
しかし、このノースリーブトップスの前では、その矛盾がすんなりと、驚くほど美しく成立してしまいます。
薄リネンデニムは、「デニムなのに、ふわりと風に舞う」という、あり得ないはずの表現をそのまま形にできる生地だからです。
胸の下あたりから、前にも後ろにも、丁寧に入れられた美しいタック。
そこから裾に向かって、生地がまるで呼吸をするかのように、おだやかなAラインを描いて広がります。
ここで大人の女性なら、ふと、ひとつの警戒心が頭をよぎるはずです。
「ふんわり広がる服は、身体が大きく見えてしまうのでは?」と。
その心配を先回りして、きれいに解決しておくのが、wafu.のバランス感覚です。
裾がこれだけ贅沢に広がっているのに、不思議なほど上半身はコンパクトに、すっきりと見える。
その秘密は、首元のデザインにあります。
キュッと詰まったネックラインのフロントに、スッと一本、潔く入れられた直線的なスリット。
このディテールが顔まわりをキリリと引き締め、単なる「可愛いだけの服」に引きずられるのを、手前で踏みとどまらせてくれるのです。
肩のカッティングも絶妙で、ノースリーブでありながら、大人の気品を損なわない立ち姿を約束してくれます。
ワイドパンツやスカート合わせて、風をまとうようにエレガントに着こなすのも素敵ですし、黒の細身のパンツを合わせて、シルエットの対比を楽しむのもいい。
お腹まわりはどこまでも優しく解放されているのに、すれ違う人には「凛としていて知的な人」という印象だけを残していく。
本来交わるはずのなかった「デニム」と「ふわり」。
その二つの言葉が、あなたの上で一番美しい調和を生む瞬間を味わってください。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので4週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。