チノパンツという服は、ときに私たちに「カジュアルの限界」を突きつけてきます。
油断すると途端に漂う「休日のお父さん感」。
あるいは、新幹線の座席やオフィスのデスクで数時間過ごしたあと、立ち上がった瞬間に太ももや膝の裏にクッキリと刻まれている、あのパグの顔のような無数のシワ。
便利で頼れる存在だからこそ、大人が品よく穿きこなすには、案外ハードルの高いアイテムでもありました。
もし、あのチノパン独特の野暮ったさを、構造と素材の力で綺麗に改ざんできたら。
そんな大人のわがままから生まれたのが、この「ワイドチノパンツ」です。
最初にお伝えすべきは、この服がまとっている、ちょっと聞き慣れない「リネンソロテックス」という素材のこと。
リネン80%に、複合繊維であるソロテックスを20%ブレンドした、いわば天然とテクノロジーのハイブリッドです。
リネンが持つ「汗をかいてもすぐ乾く」「雑菌を寄せ付けない」という涼しげで清潔なストロングポイントはそのままに、このソロテックスという繊維が、まるでミクロのバネのように生地の中で機能します。
つまり、ワイドパンツ特有の動きやすさに加えて「程よく伸びる」のに、座っても膝がぽっこり飛び出たり、無残なシワが残ったりしにくい。
「リネンはシワを楽しむもの」というこれまでの常識に対して、現代の技術が「とはいえ、綺麗に穿きたい時もあるでしょう?」と、そっと知的な助け舟を出してくれたような、いいとこどりの素材です。
ワイドシルエットという名前からは想像もつかないほど、佇まいがツンと端正。
フロントに施された2本の深いタックが、下半身のボリュームを縦のラインへと綺麗に整流しています。
チノパンを穿いているというよりは、上質なサマーウールのトラウザーズを穿いているかのような気品。
野暮ったさという言葉の対極に、このパンツは腰掛けています。
それなのに、穿いている本人の下半身は、完全なる「お留守番モード」です。
ウエストの後ろ半分は美しいゴム仕様。
ソロテックスのしなやかな伸縮性も相まって、穿く瞬間も、穿いた後も、美味しいご飯をたくさん食べた後も、おそろしく楽ちんです。
サイズはMLの2サイズ展開で、男女兼用。
パートナーと共有して、お互いのスタイルの違いを楽しむのも粋です。
爽やかな白シャツをインして綺麗めにまとめるのはもちろん、少しルーズなカットソーを合わせて裾をくるりとロールアップすれば、大人の余裕が漂う上質な日常着が完成します。
見た目と穿き心地の「完全なるダブルスタンダード」がここにあります。
楽をすることは、だらしなくなることじゃない。
現代の知恵を借りたハイブリッドなチノパンを味方につけて、どんな場所でも、どんな姿勢でも、涼しくスマートな顔で歩き出しましょう。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので3週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。