「もんぺなんて穿いたら、おばあちゃんみたいになっちゃう」
そう心配する方にこそ、この後ろ姿を見ていただきたいのです。
大変です、私たちのおばあちゃんが、
いつの間にかパリのセレクトショップのバイヤーのようになってしまいました。
もんぺが楽なのは百も承知。
しかし、お洒落の文脈にそれを着地させるのは、
なかなかに高度な技が必要です。
かつて中厚地のタフな生地で仕立てられ、
その穿き心地の良さから多くの人を病みつきにさせた名作が、
衣服内に風を呼び込む「梨地リネン」をまとって再登場しました。
名前はあえて、そのまま。
敬意を込めて「シン・もんぺ」と呼びます。
まず、鏡の前に立った自分を想像してください。
「もんぺを穿いている」という自覚を持って鏡を見ると、
そこに映るのは、驚くほどモダンで、
どこかヨーロッパの作業着を思わせるスタイリッシュな佇まいの人間です。
伝統的なもんぺの「動きやすさ」という骨格はそのままに、
フロントとバックには、ベイカーパンツを象徴する
無骨で大きなパッチポケットを大胆に配置しました。
この四角いポケットたちが、実に見事な視覚的トリックを演じます。
大人の気になるヒップラインや太もものボリュームを
小気味よくカモフラージュし、
下半身全体をきゅっと引き締まった印象に見せてくれるのです。
そして、今回の主役である梨地織りのリネン。
ふっくらと波打つような凹凸(シボ)が、
汗ばむ季節の下半身に「奇跡のディスタンス」をもたらします。
立ったり座ったりを繰り返しても、
太ももの裏が生地にピタッと張り付くあの不快感がありません。
裾口のゴムが足元をすっきりと引き締める一方で、
パンツの中では、まるで何も穿いていないかのような、
自由で涼しい空気が常に循環しています。
カジュアルな日常着でありながら、
大人の知性と「ちょっとそこまで」ではない品格がちゃんと漂っています。
裾をキュッとたくし上げて、お気に入りのソックスを覗かせるだけの隙(ゆとり)があるのも、このパンツの愛嬌です。
楽をすることは、決して手抜きではありません。
日本の知恵と、現代の意匠、
そして最高に涼しい生地が手を組んだとき、
それは「最もスマートな夏の過ごし方」に変わります。
一度足を通せば、その軽やかさに、
あなたの歩幅はいつもより少しだけ広くなるはずです。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので4週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。