効率のいい服は、たしかに優秀です。
でも、ときどきこちらは、
効率の悪さに拍手したくなる服を作ってしまいます。
袖に施したスモッキング。
均一に連なるその立体は、ただ細かいだけではありません。
一針一針が集まることで、生地に奥行きが生まれ、
表情が宿り、静かな緊張感まで立ち上がります。
機械が正確さをつくることはあっても、この気配は作れません。
やはり人の手は、執念深くて、かなり美しいのです。
wafu.がこの手仕事に惹かれるのは、単に“凝って見える”からではありません。
時間がかかる。
手間もかかる。
効率だけを見れば、褒めらたものではない。
いまの時代なら、むしろ敬遠されるでしょう。
でも、だからこそ残す意味があると思っています。
スモッキングという技術は、効率とは真逆の場所にあります。
だから失われやすい。
そして、失ってからでは取り戻しにくい。
その事実は重い。
それでも、服は思想だけでは残りません。
立派なことを言っていても、服として美しくなければ、
結局はクローゼットで静かに眠ることになります。
だからこの一着は、手仕事の価値を語るだけでなく、
洋服としてきちんと成立することにも、同じだけ真面目に向き合っています。
今回の作品は、wafu.で人気の鍵盤タックワンピースとのコラボ作品。
その土台の上に、ふんだんに手仕事のスモッキングを重ねました。
甘さがまったくないわけではない。
けれど、ただ甘いだけで終わらない。
そこに凛とした空気が残るのは、手仕事の細やかさと、
洋服としての丁寧な仕立てが、ちゃんと両立しているからだと思います。
着て、見て、終わり。
その場かぎりの美しさではなく、その先まで手渡していけるものを作りたい。
服として美しく着られること。
そして、技術として残していくこと。
この一着には、その二つの願いを込めています。
便利な服はきっとこれからもたくさん作られます。
美しい服もたくさんあるでしょう。
でも、時間と手間をかけ、人の手でしか作れない理由を持ち、
次の世代へ渡したいと思える服となると、話は変わってきます。
ぼくは、そこにこそ価値があると思っています。
後世に残るように設計する。
言葉にするとやや大袈裟です。
でも、この服には、それを言うだけの理由があります。
だからこそ、ぼくらがいます。
そして、だからこそ、作りました。
こちらはすべて手仕事のため、お時間を4~8週間いただきます。
また、数量限定でのご紹介となります。
もしこの一着から、
服としての美しさだけでなく、
その先につながる景色まで感じていただけたなら、
作り手として、こんなにうれしいことはありません。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので6週間~7週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。