サファリシャツなんて聞けば、
ジープに乗って双眼鏡を覗く探検家を思い出しますが、
このワンピースが攻略するのは大自然ではなく、
湿気と冷房に満ちた「都会の日常」です。
しかも、足元は貴婦人のドレスを着たままという、
最高に知的な悪だくみが完成しました。
wafu.の代名詞とも言える、
あの狂気的な美しさを持つ「鍵盤タックワンピース」。
そこに、無骨でタフなサファリシャツのエッセンスを掛け合わせるという、
「禁断のマリアージュ」を敢行したのです。
前を向いて鏡に立つと、まず目に飛び込んでくるのは、
胸元に配されたフラップ付きのサファリポケット。
この、少しメンズライクで道具感のあるディテールが、
顔まわりをキリッと引き締め、大人の知性を引き立てます。
しかし、そのまま視線を下へ移すと、事態は一変します。
ウエストの切り替えから裾に向かって、
職人が一針ずつ丁寧に畳んだ「鍵盤タック」が、
整然と、贅沢に並んでいるのです。
男前な上半身と、どこまでもエレガントな下半身。
普通ならお互いの個性が大喧嘩をはじめそうなものですが、
それを一席にまとめ上げているのが、
今回の主役である「梨地リネン」です。
表面に細かなシボを持つこの生地は、
トロンとした極上の落ち感を持っています。
そのため、これだけ大量のタックが入っているにもかかわらず、
横に広がるのを綺麗に防いで、
すべてを「縦の流れるような陰影」へと変換しています。
歩くたびにドレスのような高級感を漂わせながら揺れる裾。
それなのに、内側の肌に触れる面は、
梨地特有の凹凸のおかげで常にサラサラ、ドライ。
服の中に自分だけの涼しい風の通り道がキープされているなんて、
周囲で汗を拭っている人たちからは到底想像もつかないでしょう。
袖口のカフスをきゅっと捲り上げて腕を出したとき、
この服が持つ「格好良さ」と「女性らしさ」のバランスは最高潮に達します。
コーディネートを考える脳のエネルギーは完全にゼロ。
それなのに、袖を通した瞬間に「今日の私は大丈夫」と思わせてくれる。
タフに生きる大人の女性の日常に、
美しく、そしてユーモラスに寄り添う一着です。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので4週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。