大人になると、ワンピースを着る日はちょっとした
「賭け」の要素をはらんでいます。
一歩間違えれば、少女のようにはしゃぎすぎているように見えるか、
あるいは、寝室へ向かうかのようなパジャマ感が出てしまう。
この絶妙な境界線で、ずっと上品に、
ずっと機嫌よく佇んでいられる一着を探すのは、
なかなかに骨が折れます。
その勝率を、一気に100%まで引き上げてくれるワンピースを作りました。
胸元にたっぷりと波打つ、
この「ギャザー切り替えワンピース」です。
最初にお伝えしておきます。
このギャザーの量、普通ならちょっとしたパニックです。
これだけ贅沢に生地を使ってクシュクシュと寄せたら、
横にボワッと膨らんでしまうのが常識だからです。
ところが、このワンピースの前に立つと、
その常識はあっけなく崩壊します。
素材に使ったのは、「梨地リネン」。
ふっくらとした独特の凹凸を持ちながら、
重力に従ってトロンと下に滑り落ちる性質を持っているため、
この大量のギャザーがすべて「横への広がり」ではなく
「縦の美しい陰影」へと化けてくれるのです。
歩くたびに、さざ波のようなドレープが身体を包み込む。
ただそこにいるだけなのに、
なんだか妙に優雅な佇まいに見えてしまいます。
そして、この服のもう一つの顔が、
フロントに並んだボタンに隠されています。
ボタンを上から下まで潔く全開にしてみてください。
さっきまでのエレガントなワンピースが、
一瞬にして風をはらむ格好いい「ロングジレ」へと変貌を遂げます。
中にいつものTシャツとデニムを合わせただけなのに、
このジレをバサッと一枚羽織るだけで、
コーディネートの格好良さが3階階層くらい跳ね上がる。
背中や胸元のギャザーが、羽織りになった途端、
後ろ姿にドラマを生み出してくれるのです。
ウエストの紐をきゅっと絞って、
映画のヒロインのようにワンピースを着こなす日もあれば。
前を全部開け放って、夏の風を追いかけるように街を歩く日もあれば。
あるいは、ちょっと美味しいものを食べすぎて、
ウエストの紐をこっそり緩めて身体を甘やかす日があってもいい。
手を抜いているわけではなく、
いい意味で肩の力を抜いている。
そんな「格好いいサボり方」が、
このワンピースならとても優雅に、美しく叶います。
梨地リネンの涼しさと、
計算され尽くしたギャザーの魔法。
この夏、クローゼットを開けるたびに、
あなたの頬がふっと緩む瞬間が目に浮かぶようです。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので4週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。