朝、クローゼットの前で立ち尽くすとき、私たちはただ服を選んでいるのではありません。
少し大げさないい方をすれば「今日は、どんな顔をして生きていこうか」というキャラクターの選択を迫られています。
誰にだって、きりっと背筋を伸ばして上品にいきたい日もあれば、風を切って颯爽と歩きたい日もある。
人間の気分なんて、お天気と同じくらい移り気なものです。
その両方のわがままを、1枚で平然と引き受けてくれるワンピースができました。
それが「カシュクールワンピース」です。
胸元を美しく重ね合わせ、ウエストの紐をきゅっと結んでみてください。
着物のような打ち合わせが生み出す深いVラインは、大人のデコルテをすっきりと、実物以上に(ここが大切です)知的に見せてくれます。
ウエストから下に向けて静かに広がるスカートの陰影はクラシカルなドレスの趣。
この姿のときのあなたは、誰から見ても「品が良くて、丁寧な暮らしをしていそうな淑女」です。
ちょっとお茶でも点てそうな佇まい。
ところが、ひとたびその紐をハラリと解き、前を完全に開き放つと、ドラマは一変します。
中にTシャツとパンツを合わせ、ロングカーディガンのように羽織った瞬間、ドレスだったはずの生地は、風を従える軽やかなマントへと姿を変えます。
歩くたびに、後ろからついてくる生地の揺らめき。
「ただ歩いているだけなのに、映画のワンシーンみたいに格好いい人」へ、わずか数秒で変身できてしまうのです。
これだけ大胆に生地を使い、ドラマチックなロング丈に仕立てているのにもかかわらず、夏の重ね着特有の「あのうだるような熱気」とはいっさい無縁です。
なぜなら、使われているのはwafu.で最も薄く、最も軽やかな「雅亜麻」だから。
光を柔らかく透かすほど薄い生地ですから、ワンピースの上にさらにこれを羽織ったとしても、衣服の中を通り抜ける風の邪魔をしません。
涼しさはそのままに、お洒落のレイヤーだけを贅沢に重ねることができるのです。
色は、ただの黒やネイビーでは表現できない、日本の深い墨の情緒を宿した「藍墨茶」。
極薄の雅亜麻がこの色をまとうことで、肌をクリアに見せながらも、決して重苦しくならない絶妙な透明感が生まれます。
二頭追う者は一頭も得ず、なんて言葉がありますが、この服に関しては「閉めて凛と、開けて颯爽と」の2つの人格を行き来できる贅沢さがあります。
明日の朝、あなたはどちらの私で出かけますか。
その日の気分に、紐を結んだり解いたりしながら、どうぞ機嫌よく応えてあげてください。
※ご注文をお受けしてからお仕立てしておりますので3週間~5週間ほどお時間をいただきます。
何卒ご理解をお願い致します。