洋服のできるまでー着やすさを追求して。イメージを具現化するパタンナー

 

 

 

 

服を作るときにどのように布を切るかを決める、

型紙(従来は紙でしたが、最近はパソコン上データ)のことを「パターン」、

そのパターンをつくる人のことを「パタンナー」と呼びます。

 

 

前回に引き続き、パタンナースタッフTさんのお仕事の様子をお伝えします。

 

 

 

あ、綿貫社長とデザインとパターンについてお話しているようです。

 

 

 

 

 

 

 

新作の打ち合わせのようです。

 

 

 

 

さて、そんなwafu社内風景を垣間見たところで、

パタンナースタッフTさんに聞いたお話をお伝えします。

 

 

 

パタンナーという仕事、

私には想像も及ばないくらい、多くの技術を必要とする仕事なんだろうと思いますが、

パタンナースタッフのTさんが、特にこだわっていることは、

 

「着る方が、着やすいか、動きやすいか」

 

 

 

見栄えも大事ですが、着るときに無理がないことが大切、とTさんは教えてくれました。

特に、袖のわたりの部分。

袖と身頃の繋がる部分です。

この部分にゆとりがないと、着ているときに窮屈に感じるようです。

 

 

実際に私も、デザインが気に入って買った服で、

袖のわたりの部分が体に合わないものを着たことがありますが、

着心地が良くなかったことを覚えています。

 

 

その窮屈さを感じさせることなく、

その人の良さを引き立てる服。

パタンナースタッフTさんの心遣いが、

服にそのまま現れているんだなあと感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

Tさんに、そもそもなぜパタンナーになろうと思ったかを聞いたところ、

中学生の頃に見たテレビがきっかけだったそうです。

そのテレビは、デザイナー山本寛斎の対談番組。

山本先生の元気な姿勢や仕事ぶり、在り方に心惹かれ、服作りに携わることを志したそうです。

 

 

 

wafuも新しい会社なので、社員の勤続年数はそれほど長くなく、

今のチームwafuのスタッフのほとんどは、現在結集するまで、それぞれ別の道を歩んでいました。

私もそのうちの一人で、Tさんもそうでした。

Tさんはかつて別の場所でパタンナーとして働いていたそうで、

そこでは今のようにデザイナーと直でやりとりをしていたわけでなく、

分業の中で、距離の遠いデザイナーからの指示書をもとにパターンを作っていたそうです。

その後、一時期パタンナーから離れていたことも教えてくださいました。

 

 

 

 

私の中学時代は、そのような志も何も全くなかったので、

お話を聞いたときは、そんな幼い頃から今の仕事のことを考えて、

いろんなことはあったにせよ、今もその頃描いた場所にいるTさんに

何やら感慨深いものが込み上げました。

 

 

 

パタンナーとしてつくった服が最初に世に出たとき、

何だか不思議な気持ちだった、とTさんは語ります。

自分がパターンを作った服を、この世界の誰かが着ている。

その誰かは直接分からなくて、でも、その誰かは今日もその服に袖を通している。

 

 

今は自身の作品が世に出ることにも慣れ、

そこまで不思議な感覚を持つことは少なくなった、とTさん。

wafuは服づくりの全工程を自社で行って販売までするため、

今はその頃よりもお客様との距離が近くなった分、

やりがいもあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなTさんに、今後の夢についてお伺いしました。

パタンナーとしてwafuでしてみたいこと、ありますか?

 

 

 

 

Tさんはしばらく考えたあとに、

「リネンのドレスをつくってみたい」

と教えてくださいました。

 

 

私はそれを聞いて、

思わずテンションが上がってしまいました。笑

 

 

ワンピース、ではなく、ドレス。

今のワンピースも、カジュアルなものもありますが、ドレッシーなものもあります。

ですがそれよりももう少しエレガントな、ドレスをつくってみたい、と言うTさん。

それができたら、すごくいいなあと妄想を膨らませる私。

 

 

 

うーん、そこまでドレッシーなものは今の自分には合わないかもしれないけれど、

美しく歳を重ねることができたら、ぜひ着てみたいです。

 

 

 

 

そんなお話をして、今回のインタビューは終了。

Tさん、お忙しい中お話ししていただき、ありがとうございました。

 

 

 

デザインを形にする第一歩、パタンナーとパターンについてお伝えしました。

次回からいよいよ、話が実際の布に移っていきます。

「裁断」のお話です。

 

 

 

文と写真・笠原里紗

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