かけら
私はお節介なやつだ。
夢にお節介を焼く癖がある。
数ヶ月前に当スタジオで働きたいと20代の女性が来ました。
話を聞いていると雰囲気がなんか違うな と。
掘り下げて聞いてみると版画作家を目指していたと。
ギャラリーを借りていろいろ試行錯誤をしていたようです。
思い描いていたようにはいかず、手に職をということで面接に来たようでした。
私はその場で雇用できない旨を伝え、まだあきらめきれない「やりがい」に対し
どうすればいいか一緒に考えました。
版画という市場は特殊で画廊(ギャラリー)などで買うそうで一般的にwebサイトなどでの販売がありません。
多くの人に知ってもらうには画廊に行かなくてはなりません。
開催期間でその場所を借りて、大体数万~数十万円かかるそうです。高いですね。
知名度がなければ難しい仕事です。
1時間半くらい話したでしょうか、また新しい版画見せてよって言って別れました。
その夜にもう一度メールを送りました。返事はありませんでしたが心揺らぐ気持ちを察しました。
それから数ヶ月が経ち本日ハガキが届きました!
やるそうです!個展を
ハガキの裏に版画の印刷があったんです、
その題名が「夢のかけら」
かけらが残っていたからかな また夢追えるじゃん。
成功する人は挫折もしてる。
明後日、個展 是非伺います。
文・綿貫陽介